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デリバティブ被害とは何か?

(1) 為替デリバティブとは

為替デリバティブとは、外国為替を利用した金融商品の一種です。
中でも、現在、中小企業の間で問題となっているのは、通貨オプション取引と呼ばれる商品です。
通貨オプション取引とは、「将来の一定の日に、あらかじめ決められた価格で、特定の外貨を売買する権利」を売買する取引のことであり、この通貨オプション取引のうち、「買う権利」のことをコールオプション、「売る権利」のことをプットオプションといいます。
すなわち、通貨オプション取引には、①コールオプション(買う権利)の買い、②コールオプション(買う権利)の売り、③プットオプション(売る権利)の買い、④プットオプション(売る権利)の売りという4つの種類があります。
そして、権利を買う場合には、プレミアムを支払う必要があり、逆に、権利を売る場合には、プレミアムを受け取ることができます。
具体的には、「一定の期日に1ドル=100円で買う権利(ドルコールオプション)」を買うと、その期日に1ドル=110円の円安になった場合でも、このオプションを行使することで、1ドルを100円で購入することができますので、10円の利益になります。
これに対し、「一定の期日に1ドル=100円で売る権利(ドルプットオプション)」を売ると、1ドル=90円の円高になった場合であっても、1ドルを100円で買わなければならないので、10円の損失となります。

(2) 不要な商品であること

輸入業者においては、円安になると外貨調達リスクが高まりますから、円安時に利益が出るような金融商品によるヘッジニーズがあることになります。
つまり、輸入業者が為替リスクをヘッジするためには、外貨コールオプションを購入し、円安になった場合には、権利行使して安価で外貨を購入し、円高になった場合には、権利放棄してプレミアム分を損失とすれば足ります。
ところが、現在、多くの中小企業に被害をもたらしている商品の典型は、ドルコールオプションの買いと同時にプットオプションの売りを組み合わせたもので、コールオプションで支払うプレミアムとプットオプションで受け取るプレミアムが相殺されるため、初期費用がゼロとなる「ゼロコストオプション」などと呼ばれる商品です。
初期費用がゼロで済むため、中小企業が銀行との付き合いから断り切れず、契約に応じてしまうケースが後を絶ちません。
しかし、外貨を必要とする輸入業者の場合、リスクヘッジとしてはコールオプションの「買い」だけで十分であり、プットオプションの「売り」は不要です。しかも、オプションの「売り」は、どれだけ円高になってもドルを決められた価格で買わなければならないため、損失が無限定となってしまいます。
さらに、為替リスクのヘッジとしては、刻々と変化する相場状況に従い短期的に決しなければならないところ、銀行が勧める通貨オプション取引は、5年~10年くらいの長期の契約となっていることが多く、契約を途中で辞めることが困難です。そして、解約する場合には、巨額の解約精算金を請求され、会社の財務を圧迫することになりますが、精算金の計算方法は、銀行側が一方的に決定しており、開示されないことが多いです。

(3) 説明義務違反

上記のように、多くの中小企業は、リスクヘッジのニーズがないにもかかわらず、銀行との付き合いからやむを得ず契約を締結してしまっているようです。また、契約する際にも、商品の仕組みやリスクを説明していないようなケースも多いです。
そもそも、為替デリバティブ商品は、円安になって企業側に利益が出始めた場合には、銀行のリスクを回避するために取引が終了してしまい、円高になったときには企業側に無限定に損失が発生し、しかも、このようなリスクを回避するために中途解約しようとすると、莫大な精算金の支払いを求められ、さらにその精算金の計算根拠すら不明である、という商品です。これを説明されていれば、契約したいと思う人はほとんどいないでしょう。
このように、商品の仕組みやリスクについて説明を受けていれば、契約をしなかったであろうケースが多いです。

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