Q 相続では、誰が、どのくらい財産をもらえるのですか?
A まず、遺言書がある場合は、遺言に従って相続分を決定します。ただし、一定の範囲の相続人が最低限相続できる財産を保障しています。これを遺留分といいます。 遺言書がない場合は相続人同士の話し合いとなります。その場合には、法律で定められた相続分(法定相続分)で分けることもありますが、必ずそれによらなければならないわけではありません。
Q 私は亡くなった夫と入籍をしていなかった内縁の妻ですが、私にも相続権はありますか?
A 内縁の妻には夫の相続権はありませんので、残念ながら相続はできません。このような場合には、夫の生前に、夫に遺言書を作成してもらうことをお勧めします。
Q 遺言書を書きたいのですが、どうしたらいいのですか?
A 遺言の方式には、自筆証書遺言、秘密証書遺、と公正証書遺言があります。法律で方式が決められているので、それに従って作成する必要があります。 遺言の利点は、
・法定相続分とは異なる遺産の分配ができる
・法定相続人以外の人(お世話になった友人、知人等)に遺贈をすることができる
などがあります。
Q 遺言はしておきたいが、弁護士に相談する必要は?
A 遺言内容は、遺言者のニーズに応じて多様化しています。
遺言によって、特別受益や寄与分を巡るトラブルも解消することが可能です。遺留分対策もあります。
相続税の問題も絡みます。最も注意が必要な点として、遺言は厳格な要式行為のため、個人で作成すると無効となる場合があります。
また、内容は、各人の置かれている家庭の状況によって様々です。1人で悩んでも解決しませんので、弁護士に相談していただくのが一番です。
Q 父の死後、遺品の整理をしていたら遺言書が出てきましたが、どうしたらいいですか
A 自筆証書遺言や秘密証書遺言であれば、相続人はその遺言書を開封せずに家庭裁判所へ提出して検認の手続きを請求する必要があります。
検認手続きとは、遺言書の偽造、変造を防ぎ遺言書を確実に保全するための証拠保全の手続きです。
公正証書遺言であれば、検認の手続きは不要ですので、遺言内容に基づき相続手続き(不動産、金融資産等の名義書換など)が可能となります。
Q 遺産分割協議書の作成は、どのようにしたらいいですか
A 遺産分割協議書の形式は、法律で特に規定していません。また、作成期限も特になく、法定相続分と違った分割でも、相続人全員の合意があれば有効です。
Q 父の死亡後、父に多額の借金があることが分かりました。債権者から請求を受けないようにするために、よい方法はないでしょうか。
A 自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内であれば、相続放棄の申述(申立て)をすることができます。相続放棄の申述が受理されると、申述人は最初から相続人ではなかったことになりますので、被相続人の債務を相続により負担することはなくなります。
Q 亡くなった父には、財産が多数ありますが、負債も相当あるようなのでどうすればよいでしょうか。
A 限定承認という手続があります。この手続によって、相続した財産の限度で相続した負債を支払うことができます。
この手続を利用するには、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、相続人全員で、限定承認の申述(申立て)をする必要があります。
Q 親が長男に全財産をやるという遺言を残して死んだのですが、次男である私は全く遺産を得ることはできないのでしょうか。
A そのような場合でも、遺留分という法律上取得を保障されている一定の割合については、遺留分を請求することができます。
Q 私の父は、健在なのですが、消費者金融など複数から多額の借金をしているようです。私は父とは一切関わりあいたくないし、今後、父が死亡したとしても相続などしたくはありません。父の生前に相続放棄をすることは可能でしょうか。
A 相続放棄は、相続人となった人が、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出し、受理されなければなりません。そのため、死亡前には相続放棄はできません。