離婚

(1) 離婚の方法

Q 私は、配偶者と離婚することを考えていますが、どのように話をすればよいですか?離婚の方法にはどのようなものがありますか?

① 協議離婚

A 夫婦間で離婚に関する合意ができれば、離婚届を作成して市役所に提出すれば離婚は成立します。夫婦間の合意によるものなので、法定の離婚原因は必要ありません。

② 調停離婚

A 夫婦間の話し合いでは合意ができない場合には、家庭裁判所において、調停委員という第三者を交えて、離婚をするかどうか話し合うことができます。ここで離婚するという内容で合意ができ、家庭裁判所がその合意事項を調停調書(裁判所が作成)に記載すれば、それにより離婚が成立します。調停離婚も夫婦間の合意によるものなので、法定の離婚原因は必要ありません。

③ 審判離婚

A 家庭裁判所での調停で、離婚について実質的には合意できているが相手方が入院中などで調停に出席できない場合など、調停離婚はできないが、審判をするのが相当と考えられる場合に「調停に代わる審判」による離婚の制度が定められています。もっとも、実際にこの制度が用いられることは非常にまれです。
審判に対しては、当事者が2週間以内に異議の申し立てをすれば、審判は無効となります。

④ 裁判離婚

A 裁判所の調停によっても離婚が決まらない場合には、家庭裁判での裁判によって離婚することができるか、決められることとなります。この場合、他方配偶者の意思にかかわらず、離婚を認める判決が下される可能性があります。離婚が認められるには、民法770条1項各号に定められた離婚原因が必要で、この離婚原因は、離婚を求める側が主張・立証します。
なお、原則として、裁判による離婚を求める前に、一度調停をし、話し合いをしておくことが必要です。

(2) 調停離婚

Q 協議離婚も調停離婚も、いずれも話合いがまとまらなければ離婚できないようですが、夫婦二人で話合って協議離婚ができないでいるのに、調停をして話がまとまることなどあるのでしょうか?調停はどのような方法で行われ、調停をすることのメリットはどのようなことがありますか?

A 家庭裁判所による調停では、男性1人・女性1人の調停委員が、まずは、調停室に一方配偶者を呼び、話を聞きます。その後、一方配偶者を退席させ、他方配偶者を呼び入れ、相手の言い分を伝えた上、他方配偶者からの話を聞きます。これを繰り返し、常に調停委員を介して相手の言い分を聞くことになりますし、調停委員から、アドバイスや意見がされることもあります。このように、調停においては、配偶者双方が顔をあわせることはありませんし、また、待合室もそれぞれ別の部屋が用意されます。
協議離婚も調停離婚も、話し合いによる離婚であることは同じですが、当事者のみで話し合っていると、どうしても、過去の不満などが噴出し感情的になってしまい、未来志向の話合いができなくなりがちです。これに対して、調停では、調停委員を介することで、双方感情的にならず、また、調停委員のアドバイスや意見を聞くことで、自分を見つめなおし、未来志向の話し合いをすることができます。

(3) 裁判離婚が認められるための要件

Q 裁判によって、相手方の意思に関わらず離婚できる場合とは、どのような場合ですか?
A 民法770条1項には、以下のとおりの離婚原因が定められています。

  • ① 配偶者に不貞な行為があったとき
     …配偶者以外の者と性的関係をもつことです。
  • ② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
     …配偶者が家を出て帰って来ない、生活費を入れてくれないなど、夫婦間の同居義務・協力義務・扶養義務に違反する場合です。
  • ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  • ⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。
     …夫婦関係が修復不可能なまでに破綻している場合です。信仰の違いや、性交拒否、DVなどが、これに該当する可能性があるものと言われています。

①~④のような事情が無く、性格の不一致で離婚を求める場合など、その程度や原因からこの⑤に該当する状態かを判断することになります。

(4) 有責配偶者からの離婚請求

Q 私の夫は、私とは性格の不一致があると言って、数年前に家を出て、別の女性のところで暮らしているようです。先日、夫から、その女性と結婚したいから、私とは離婚するなどと言われました。裁判になった場合、離婚は認められてしまいますか?

A このように、自ら婚姻関係を破たんさせた者を、「有責配偶者」と呼び、この有責配偶者からの離婚請求が認められるか、裁判上も激しく争われてきました。

①最高裁判所昭和27年判決、通称「踏んだり蹴ったり判決」では、有責配偶者たる夫からの離婚請求は認められない、との判断が下されました。

夫が、妻とは性格的にそりが合わず、別の女性との間で関係を持ち、その女性と同棲を始めた後、妻に対して離婚請求した事案
<裁判所の判断要約>
結局、夫が勝手に他の女性と関係を持ち、そのため妻と同棲できないから、これを追い出すということであるから、もしこのような請求が認められるとするならば、妻は全く俗にいう踏んだり蹴ったりである(ため、離婚は認めない)。

②しかし、現在では、有責配偶者からの離婚請求でも、認められる場合もあると考えられています。

<最高裁昭和62年判決 裁判所の判断要約>
有責配偶者からの離婚請求であっても、「㋐夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、㋑その間に未成熟の子が存在しない場合には、㋒相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状況におかれる等離婚請求を認めることが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、」有責配偶者からの離婚請求も認められる。

③従って、現在では、自ら婚姻関係破綻の原因を作出した有責配偶者からの離婚請求も限定的ではありますが、認められる可能性があります。

※ なお、「有責」配偶者と言えるためには、不貞行為や悪意の遺棄など、明らかな有責性が認められなければなりません。

«離婚にいたるまで親権»

離婚トップへ戻る

法律相談のご予約・お問い合わせ お問い合せフォームはこちら ・借金に関する相談 ・悪徳商法による被害 ・交通事故による被害 ・生活保護に関する相談 ・リブレネットに入会された方 の法律相談は無料で行なっております。

Copyright © 2011 弁護士法人リブレ All Rights Reserved.